崇高で美しい音楽

本日5月7日は、クラシック界の重要な作曲家の誕生日になります。それはドイツの作曲家ブラームス。そこで今回は彼の作品から「ピアノ協奏曲 第1番」をご紹介させて頂きます。


まず、協奏曲とはピアノのようなソロ楽器とオーケストラが一緒になって演奏される音楽のジャンルです。私は今までの人生で2回ほどオーケストラと共演させて頂きました。それはまるで自分が主人公になったような気持ちよさと、みんなが支えてくれる安心感の中で演奏できる、とても感動的なジャンルです。そしてクラシック音楽では交響曲の次に規模の大きな音楽になります。ブラームスは生涯で2つのピアノ協奏曲を残しました。


◆ブラームス/ ピアノ協奏曲 第1番

私が全ての作曲家のピアノ協奏曲の中で一番好きな協奏曲です。しかし50分という長大さと、ピアノ交響曲と言われるくらいのスケールの大きさは、脂っこいものが苦手な方にはそのギトギトさにやられてしまう事でしょう(私自身は濃厚な豚骨ラーメン大好きっ子なので全然ウェルカム)。そのため世間的にはあまり馴染みのない曲です。私は芸大2年時の夏休みにこの曲を聞きドハマリしてずっと聞いていた記憶があります。まだハタチにもなっていない若僧でしたが、心に刺さるインパクトは強烈なものでした。

まず冒頭からティンパニ(打楽器)のトレモロに乗せて劇的なメロディーが力強く登場します。楽譜冒頭に記されるマエストーソの意味は、「堂々と、威厳をもって」です。曲中通して感じるその確固たる意志の強さは、まるでベートーヴェンの再来かのようです。第2楽章は一転して天から音が降ってくるかのような美しさ。その神々しさはまるで天国とコンタクトをとっているかのようです。美しくシンプルでありながらもこれだけのスケールを出せるのは、ブラームスの真骨頂でしょう。そして第3楽章はただひたすらに「カッコイイ」。この印象は今も昔も全く変わらず、これ以外の表現もなかなか見つかりません。第1楽章の風格に華麗さが加わったような雰囲気で、最後の部分は音楽が昇華し羽ばたいていきます。


是非ともブラームスの音楽への情熱を感じていただけたらと思います。



実は5/7の誕生日にはチャイコフスキーもいて、同時に紹介したかったのですがブラームスに尺を取りすぎてしまいました。むしろ彼のピアノ協奏曲の方がはるかに有名なのだが、、

それについてはまたどこかでご紹介します。