練習する前に①

本日は、真面目な音楽トークをしたいと思います。これから何回にもかけてお話するかもしれませんが、テーマは練習について。


練習の仕方については、私がレッスンで特に話す内容となっています。というのも、レッスンというのはだいたい週に1回くらいのもので、ピアノの練習の大半は毎日自分でしなければならないからです。

本当は練習の仕方のレッスンもしたいのですが、やはりそこは前述したように、貴重なレッスン日。どうしても作品の内容に話が傾いてしまうんですね。

なので、説明できそうなものは字にしてしまおう!、と思いつき書き出しました。

考えをまとめずの見切り発車のため、わかりづらいところがあるかもしれませんが、お付き合い下さい。



今回は、練習の仕方の説明に入る前に、マインド(練習に対する意識)についてお話します。


リヒテルというロシア人ピアニストをご存知でしょうか?

音楽愛好家の方達や、音大を目指す学生達にとってはお馴染みですよね。

そのリヒテルが初演した、プロコフィエフのピアノソナタ第7番。この曲は音大の試験やコンクールでは定番の曲で、私も大学時代に弾きました。20分弱の曲で、ページ数は約30ページ。いわゆる大曲というやつで、コンクールやコンサートでは後半のトリを飾る曲です。


さてここで問題。リヒテルはこの作品をどのくらいの期間で完成に持っていったでしょうか?

実はこのお話はちょっとした逸話として現代まで語り継がれています。

さて、正解の発表です。リヒテルはこの作品を実に4日間で完成させました。


「、、、、、

皆さん、わかりますよ、その反応。私も大学当時は自分が弾いていたのもあり、信じられず、次のような答えを出していました。

「う〜ん、まぁリヒテルは天才だし、、、」


しかし、今ではやり方次第では可能だろうなと思っています。

学生を卒業してから、仕事などで私も1週間で本番、伴奏にいたっては当日なんてこともありましたが、その時ふと思ったのです。全然取り組む際のマインドが違うなと。。


例えば同じ曲でも1日で必ず弾けるようにすると思って練習するのと、3ヶ月後が本番だと思って練習するのとでは、その成果に雲泥の差があるのです。スピードも集中力も全く違います。極論、明日人前で弾かなければならないとの思いで毎日練習に向かえば、その練習効果は絶大なのです。


本日のまとめですが、練習を始める前に、まずどんな曲でも(皆さんがそれぞれのレベルで今こなしている曲)1週間あれば完成させる事はできるということを知っていて下さい。

言い方を変えると、効率の良い練習ができると、どんな曲でも数日でものにできます!


長くなってしまいましたが、、

最後に、人間はある意味では本当によくできているなと感じます。だって自分でなんとなく無意識に設定しているペースや目標に本当に上手く適応するのですから。