本日は、前回の続きになります。
前回の話をざっくりまとめると、練習の仕方次第ではどんな曲も数日で弾けるようになる、というお話でした。
今回もまずは皆さんの今までの考え方を少し柔軟に、ストレッチのようにほぐしていきたいと思います。
前回書いていて、やはり全てをお話しようとすると、膨大な量になってしまうなと感じたので、これからは何点かに絞り込んでお話していきます。
今回着目するのは、練習の邪魔をしているマインド。
ひとつの作品をある人は数日で、またある人は3ヶ月でものにする。その差は何か?どのようなマインドの違いがあるのか?
色々とある中から厳選して2点、ご紹介します。
◆ピアノを繰り返し練習すれば、「いつか」弾けるようになる、と思っている
このマインドは、皆さん心あたりがあると思います。ピアノは毎日少しずつ練習していけば、いつか上手くなると。
しかしこのマインドだと、最初から音楽を考えながら練習をする邪魔になってしまいます。「いつか」でいいので、とりあえず今は音符だけ見て強弱記号はなんとなく無視でいいや、スラーやスタッカートをつけるのは後回し後回し、、など、、
そう、譜読みの時点から音楽を考えなければならないのです。
譜読みの仕方については、またどこかで説明できたらと思います。
◆練習というのは、次から次へと出てくる間違いを、出てくるたびに直しながらどんどん弾けるようにする、と思っている
「1週間前はたくさん間違えながら弾いていたけど、毎日練習してどんどん間違いが減ってきたぞ!」
なるほど、しかしこれでは言い方を変えると、1週間、間違いを含んで学んでいた事になりますね?
ここで注意点がひとつあります。ここでの間違いというのは、単にミスタッチの事だけではありません。音楽は芸術です。何のイメージもなく、強弱記号やアーティキュレーション、ニュアンスの変化を考えず、例えば明日の買い物の事を考えながら弾く、これも音楽にとっては大きな間違いですね?
本日は2点、練習する上で邪魔をしているマインドについて紹介しました。
ピアノの練習は決して時間をかけて繰り返し繰り返しする必要はないのです。
大事なのはピアノに座っている時間ではなく、その作品を考えている時間。音楽を考えながら練習すればするほど、ひとつの作品の完成度がグッと上がりますよ。そして空いた時間で、映画を見たり、本を読んだり、ティータイムにしたり、明日のショッピングについて考えたりしましょう!
先日行われたショパンコンクールの優勝者、ブルース・リウさんも、子どもの頃は練習時間10分だったらしいですよ。
それでは効率の良い練習をしている人の練習中のマインドはどうなっているんだろう?
前回の、リヒテルがプロコフィエフの作品に取り組んでいる時ですが、こんな言葉を残しています。
「作品に非常に惹きつけられ、4日間で暗譜してしまった」
人間は、何かを楽しんで取り組む際、夢中になり信じられない力を発揮する事がありますよね。
私も小さい頃、1週間目安と書いてあるガンダムのプラモデルや、ジグソーパズルを、早く完成形が見たいあまり夢中になり、1日で作ったなんて事がよくありました。途中、親の夕飯の声がけも耳に入ってこなかった記憶がありますね笑
それでは本日はこの辺で。。