大学入試

昨日今日と、大学入学共通テストの日でしたね。受験生の皆さん、お疲れ様でした。

これまでは、センター試験という名称でしたが、私も高校生の時に近くの大学まで受けに行ったのを覚えています。


本日は、少し謎の多い音大の入学試験についてお話します。(私の受験当時の情報になりますが、芸大を受験で考えている方は参考にしてみてください)


まず、私の卒業した東京藝術大学は音大ですが、このセンター試験を受けなければなりません。科目は2教科(国、英)で良いのですが、ピアノの実技の練習で忙しいこの時期にあるセンター試験は、大変ストレスだったのを覚えています。

そして、普通はこのセンター試験の点数が大事になるのですが、芸大の場合はこれが3次試験となるのです。


わかりづらいと思うので芸大の試験内容を一覧にすると(当時)、


【1次】実技試験(バッハ、ショパン)

【2次】実技試験(古典ソナタ、ロマン派、近現代)

【3次】センター試験、聴音、楽典、新曲視唱


となっています。

1,2次試験は2月の終わり、3次試験は3月に入ってから行なわれ、最終結果が出るまで大変長いことでも有名です。私の場合、まだ3次試験の前だったために卒業式に出れず、卒業証書は後日受け取るという形でした。


実技試験に関しては、【1次】がバッハの平均律1曲と、ショパンのエチュード2曲になります。

ショパンエチュードは2曲用意するのですが、当日クジでどちらか1曲を弾かされるため、受験生は自信のある方が当たるようにと、クジ引き前にちょっとしたお祈りタイムがあります。笑


【2次】の実技試験は、まず古典のソナタをひとつめの教室で弾き、直後に移動してホールでロマン派と近現代のカテゴリの曲を演奏します。古典のソナタは全楽章用意し、当日は途中カット方式になります。

そしてひとつめの教室での出来がどうであろうと、次のホールに着くまでには完全に切り替えて、残りの2曲を演奏しなければなりません。


【3次】になると、実技は終わり、基本的な音楽の知識や能力を見られます。それぞれの試験内容は割愛しますが、それプラス、センター試験の点数で合否が判断されます。


最終結果が出たあと、合格者に配られる「芸大合格」のハンコの押された紙袋は名物になっており、長かった受験が本当に終わったんだなと感じるアイテムとなっています。


最後に、同じ東京藝術大学のもうひとつの科である、美術科をテーマにした「ブルーピリオド」という漫画を紹介します。大変人気の漫画で、去年アニメ化もされました。

ジャンルは違いますが、芸術系の大学を目指す学生の日々の生活も描かれているので、音大を目指す学生にとっては受験までの気持ちの持ち方として、大変参考になるのではないでしょうか。(漫画の作者が芸大出身の方なので、大変リアルです)

音楽のほうを題材にして大ヒットした「のだめカンタービレ」もありますが、大学に入る前の受験生にフォーカスした「ブルーピリオド」の方が、これから芸術系の大学を目指す学生にとっては気持ちの支えになってくれると思います。