一昨日、「ブックオフ」「俺の」創業者である坂本孝社長の訃報をニュースで知りました。
色々なアイデアで数々の素晴らしい功績を残した坂本社長。
ご冥福をお祈りいたします。
実は私は、坂本社長には大変お世話になった過去があります。
留学から帰ってきてまだ仕事がない時に、レストランでピアノを演奏する仕事をさせて頂けることになったのです。
そのレストランこそ当時飲食業に革命を起こした「俺のレストラン」でした。
あるお店のオープンから演奏させて頂くことになり、その前に坂本社長宅にお招き頂きました。飲食業界のこと、音楽業界のことを、お酒と共に熱く語っていらした坂本社長の目の奥底には闘志と夢がつまっていたのを覚えています。
その後も何度か「飲みニュケーション」という名の、坂本社長の独自の意見交換会(飲み会)にも参加させて頂きました。
坂本社長の言葉や、飲食業界で学んだことは、私の音楽への考え方にも大変参考になりました。
【2勝10敗の実業家人生】
大変有名なものですが、これは坂本社長の「ブックオフ」までのいわゆる実業家としての戦績です。
一緒に飲ませて頂いた時、レストランでもっとゴリゴリの10分を超えるようなクラシックを弾いても良いかたずねたところ、「それが君が学んできたことで、それに自信を持っているならおおいにやりなさい。決して失敗は恐れず。私は失敗だらけの人生だよ、わっはっは〜」と返して頂きました。
よく「失敗は成功のもと」と言いますが、まずは失敗に至るまでの「挑戦する勇気」を持つことが難しいのだと思います。
レストランでラフマニノフの「ソナタ」や「コレルリ」なんてものも弾き、今考えるととんでもない場の空気にしてしまったかなと思っています。。(曲を聴いていたら食べる暇がないので、、)
現在、2年前からのコロナの影響で、演奏のあるお店は半分以上が店を閉めてしまったと聞いています。
しかし、大手町には坂本社長の夢であった劇場型のレストランがあり、そこではスタインウェイのフルコンで生の音楽が聴けるという贅沢なひと時を楽しむことができます。一昨年には、スペシャルステージとしてピアニストの横山幸雄さんを招いてのディナーショーもあったようです。(私はオープン直後の通常営業の日に2回出演させて頂きました)
これまでたくさんのステージを用意して下さった感謝と共に、またあのレストランで演奏してみたいな、と色々な感情を噛み締める1日となりました。
私が中学生、高校生の時代によく通った「ブックオフ」。
その創業者である坂本社長と初めてお会いし、握手をして頂き、サイン入りの本まで頂いたあの日のことは一生忘れないでしょう。
色々な経験をさせて頂きありがとうございました。