オリンピックを見て

北京オリンピック、日本人頑張っていますね。


フィギュアの羽生選手、ハーフパイプの平野選手、ジャンプの小林選手の練習風景を見て、ふと感じたことがあります。


みんな1回1回の練習の間に、ビデオを見てフォームなどをチェックして分析し、改善点を探してからまた滑りだすのです。

練習の際に大切な「考える」ことがよくできているなと感じました。


私もピアノの練習で「考える」ことはとても重要だとレッスンでよく言うのですが、やはりそれが難しいと皆さん感じていると思います。


なぜでしょうか?

オリンピックを見ていたらよくわかります。ピアノの方がスポーツよりも「考える」環境としては不利だなぁと。。


まずピアノはスポーツに比べて体力的には疲れません。頭を働かさなければ5~6時間ぶっ通しで練習なんてものもできてしまいますが、スポーツではまず無理でしょう。

スポーツには1日に練習する体力に限界があるため、1回1回のプレーをよく考えてから行わないと、ただ疲れてしまうだけになってしまいます。更に何も考えずに手を抜いてしまえば大事故にもつながってしまいます。ピアノにはこういった心配もないですよね。

最初に挙げたフィギュア、ハーフパイプ、スキージャンプなんて死と隣り合わせの競技でもあるでしょう。神経を研ぎ澄まして細部にまで頭を働かせ考える環境がその性質上存在するのです。


また、ハーフパイプやスキージャンプといったものは、1回滑ると次のプレーまでに相当の時間が空きます。リフトを使ってまた登らなければならないので。ここで「考える」時間がラッキーな事に付いてくるのです。

他の競技でも、スポーツには必ず水分補給の時間が設けられます。この時に、次はどのような練習をしようかという思考が生まれます。


ピアノの練習はこれらのスポーツに比べて、「考える」環境が整っていません。

では自分達からそのような環境を作っていきましょう。

まずは手始めに、必ず休憩を取ることです。その休憩時間にお茶を飲みながら次の練習する箇所や内容を考えるのもいいでしょう。

休憩の前に少し録音をして、休憩中にお茶を飲みながら聴いてみるというのもいいですよね。そこで演奏をチェックし改善点がわかれば、次の練習もはかどりますよ。



実はピアノの「練習」がいつの間にか思考の停止した「連習」になってしまうのには、このような環境のトラップがたくさんあるからなのかもしれません。

これからもこのようなトラップと、その改善点を紹介していけたらと思います。