ピアニスト紹介 第5回

本日はピアニスト紹介シリーズ。

前回からかなり空いてしまいましたが、今までで一番変化球でしょうか。


【ブラッド・メルドー】


一応カテゴリー的にはジャズピアニストということになっていますが、独自の道を突き進む現代音楽アーティストです。

彼の作る音楽全てが興味深い、ピアニストとしてだけでなくコンポーザーとして私は追いかけています。


出会いはUKロック。私は実は高校まではクラシックはほとんど聴かずロックばかり聞いていたのですが(音大受験を決めたのも高2でした)、当時ドハマリしていたのがイギリスのロックバンド、レディオヘッドでした。

そしてそのレディオヘッドの楽曲をアレンジして弾いていたのが、ブラッド・メルドーだったのです。

普通のジャズナンバーだけでなく、ビートルズやニルヴァーナといったロックをピアノでアレンジしているのを聴き、面白いなぁ〜と。


【ブラッド・メルドーのおすすめ作品】

彼ほどアルバムを出す度に世間を驚かせるピアニストはいないのですが、本日は少しクラシック寄りで紹介します。


まずは「アフター・バッハ」です。平均律クラヴィーア曲集からチョイスした楽曲を演奏し、その後文字通りそこから得たインスピレーションで書いたオリジナル曲を演奏するというスタイルです。私のお気に入りは平均律2巻16番フーガの後のアフター・バッハである「オスティナート」です。


続いては、メルドーとオルフェウス室内管弦楽団のコラボ作品である「Variations On A Melancholy Theme」です。これはクラシックとジャズの融合といった作品で、本人が「もしブラームスが憂鬱な気分で目が覚めたらと考えてみたんだ」と語っています。


最後は上記2枚のアルバムとは全然テイストが違いますが、「ファインディング・ガブリエル」も付け加えておきます。このアルバムはグラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバムに選ばれました。こちらと先日発表された新作「ジェイコブス・ラダー」はどちらも聖書をテーマにしていて大変難解ですが、なんだかレディオヘッドにハマっていた高校時代を思い出し懐かしい気持ちにさせてくれます。


◆ブラッド・メルドー/ アフター・バッハ

◆ブラッド・メルドー, オルフェウス室内管弦楽団/ Variations On A Melancholy Theme


今年2022年、ブラッド・メルドーの来日ツアーが決定し、なんとサントリーホールで東京フィルハーモニー交響楽団と共演します。もちろんすでにチケットは取りましたが、今からワクワクが止まりません。


以上、本日はだいぶ変化球のピアニストを紹介しました。